Why

ファッションからライフスタイルを提案するブランドへ。

Whyの歴史

Whyは、株式会社ホワイが展開するバッグブランド。1938年にホワイの前身となるサスペンダーやベルトなどを製造する「石原商店」が創業され、その後1971年に石原商店から分離する形で、石原一三氏が株式会社ホワイを創業しました。

石原商店は、1960年代に日本のファッション文化の礎を築いたブランド「VAN」の服飾雑貨を手がける機会を得ました。同ブランドのファンでもあった一三氏は、若者を中心に人気を博した「VAN」の影響力の強さはファッション性だけでなく、みんなが憧れを抱くライフスタイルを提案している点にあると考えていました。

次第に自身の思い描くライフスタイルを実現させたいと思うようになり、自社ブランドをつくることを決意し、1966年、一三氏が28歳のときにバッグブランド「Why」を立ち上げました。

Whyが全国に商品を展開していた1970年代は、ライセンスビジネスもブームになり、社名を現在の株式会社ホワイに変更し、ライセンスによるブランドアイテムの販売をスタートさせました。海外有名ブランドのバッグの取扱いが始まり、その後、ジャン=ポール・ゴルチエ、クレージュなど海外の大手ブランドを大きく展開しながら、自社を発展させていきました。

そして、1978年には香港に海外進出し、生産拠点を構えると同時に販売も開始。現在は、香港に15店舗を展開しています。

2018年から父・一三氏の意思を継ぎ同社代表を務めているのは、石原陽次さん。バッグにとどまらず、ペットアイテムの販売、直近では軽井沢にハーブガーデンをオープンさせるなど、ファッション業界に特化するのではなくライフスタイルブランドとしての確立を目指し事業展開を行っています。


代表の石原陽次さん(左)と専務の中尾賢二郎さん(右)

ワクワクから始まる、人馬一体のものづくり

Whyが展開するバッグや財布、アイテムの数々は、馬具の一種である鐙(あぶみ)や馬銜(はみ)をモチーフにしたハーネスプリントが特徴。Whyの代名詞ともいえるプリントです。

そもそも“馬”に関するデザインを散りばめたのは、一三さんがKent(ケント)というブランドのディスプレイの依頼を請け、馬の鞍などを使用したのが大変好評だったことがきっかけだったのだそう。また、ファッション業界に身を置くWhyにとって、馬は非常に縁のあるものだったと代表の陽次さんは話します。

「当時父は年に2回、ミラノやパリ、ロンドン、ニューヨークなど海外のファッション拠点に出向き、ファッションショーや販売を手がけていたブランドを見て回っていました。そんな中で、ヨーロッパやアメリカは馬術大国としても知られていて、馬術がライフスタイルに溶け込んでいるのを目にしていました。さらに馬術大会では、エルメスさんがスポンサーになっていたり、ファッションとの親和性もよかったのではないでしょうか。こうしたことが、父にインスピレーションを与え、現在まで続くWhyのデザインにつながったのだろうと思います」。

Whyは、「人馬一体」を目指したものづくりをしています。“人馬一体”とは、「乗馬において騎手と馬がひとつになったかのようになめらかで巧みな連携が行われること」を意味します。Whyはアイテムと使い手が響き合うことで、人々の豊かなライフスタイルにつなげるものづくりをしているのです。

「ファッションとは、気持ちが高まるものであったり、幸せな気持ちになるものだと思っています。だから、私たちは自分たちがワクワクするモノやコトをつくり続けることで、お客様に喜んでもらえたら嬉しいですね」と陽次さんはいいます。

PVC素材だから、永く愛用できる

バッグをはじめとした商品は、PVC(ポリ塩化ビニル)素材を使用しています。

PVCは、耐久性に優れており、少しの汚れであれば落としやすいといったメンテナンスのしやすさといった特徴を持っています。そしてWhyのPVCは、日本製にこだわり厳しい品質管理が行われたものを各アイテムに使用しています。

バッグ本体は、PVCを補強する裏張りとの相性を見極め適度なやわらかさを追求し、普段使いしやすい硬さになっています。

Whyが展開するアイテムは、お手入れも楽に行うことができ、毎日使っても劣化を感じさせないアイテムが揃っています。

パターンオーダーで、毎日使うアイテムをあなた好みに。

近年では、より個人に寄ったサービスが浸透してきていますが、Whyではかねてからパターンオーダー製作を行っています。世界にひとつの組み合わせでカスタマイズした商品は、お客様の思い入れも深くなり、より永く愛用してもらえる傾向にあります。そして、過剰在庫をつくらないということにもつながるため、サスティナブルの観点からも受注生産を推し進めています。

バッグやウォレット、ポーチなどでパターンオーダーをすることができます。

色は全30色。注文から約60日程度で手元に届きます。
バッグは、年間通じてアイボリーが人気色なのだそう。
オンラインストア上でカラーシュミレーションができるので、イメージがしやすくオンラインでも安心して購入できます。

WWW(World Wide Why)

早くから海外進出を果たしていたWhyは、業界が厳しいといわれる中でも香港で15店舗を出店しています。今後は「World Wide Why(ワールドワイドホワイ)」を合言葉に、より世界に拡げていこうと考えています。

陽次さんは、非常にユニークな経歴の持ち主。日本の高校を卒業後、イギリスの高校を経て、アメリカの大学へ行き、その後家業がファッション業界であることからいずれは携わることになると考え、フランスの大学でファッションを学びました。ところが、卒業前から熱中していたキックボクシングを追求したくなった陽次さんは、26歳までパリでプロ選手として活躍したスポーツマンという一面も持っています。

プロになったものの生活は非常に大変であったときに、父から戻ってこないかと声がかかり、ホワイに入社を決意しました。入社から3年後、イタリアに渡りライセンサーのアプルーバル業務や素材の手配などを担当したのち、自身が30歳のときには香港でも仕事をするなど多くの時間を海外で過ごしてきた陽次さん。

ホワイが提案するものは、バッグやウォレットなど単なるアイテムの販売ではありません。使い手にとってライフスタイルになるもの、馴染んでいくような提案を大切にしています。

日本では馬モチーフを打ち出したり、海外では目立つ色味を好む人たちが多いためカラーバリエーションを強調したり。ローカライズすることで、国や地域性を理解しながらその地にいる人たちの生活に馴染むアイテムの提案の仕方をしてきました。

「シンクグローバル・アクトローカルで、より多くの人たちにWhyを届けていきたい」と陽次さんは話します。

アウタービューティーとインナービューティーを追求した、ホワイ ライフを。

ホワイグループは、バッグブランド「Why」だけでなく、ペットグッズのブランド「バーディ」やハーブガーデンの運営や美容と健康を意識した商品の開発など、事業領域をより拡げていこうとしています。

「ファッションの追求によってアウタービューティーを、美容や健康を追求することでインナービューティーを目指し、一人ひとりが豊かな生活ができるようこれからも提案していきたい」と陽次さんは話します。

Whyのバッグやアイテムは、「楽しめること、ワクワクすることはなんだろうか?」という問いから生み出されています。自分たちが楽しく過ごすためにはなにができるかを追求し、つくり手として歴史やストーリー、商品一つひとつへの想いを大切に伝えることで、共鳴が生まれていきます。

「私たちが提案するものやホワイの存在自体が、お客様や従業員にとって太陽のような存在であるとか、ワクワクさせるものでありたいと思っています。ホワイがその人の生活の一部になっていったら嬉しいですね」

ファッション業界において人々を魅了してきた老舗バッグブランドは、ライフスタイルを提案するブランドとして挑戦し始めています。

Interviewer Akki/Writer Asuka/Photographer Daiki